コーヒー豆の発芽率を高めるには?

コーヒー豆の発芽

通常コーヒー豆は発芽(土から豆が出てくる)まで約2か月前後かかります。

コーヒー豆の発芽

コーヒー豆の発芽率テスト

上記、播種した全てが発芽することは稀です。下記はコーヒー豆を発芽させるポイントになります。


温度管理が大事!

発芽まで気温20℃以上で管理する

乾燥に注意!

発芽まで種子を乾燥させない


例えば100個のコーヒー豆を播種したとき、発芽しないコーヒー豆(死豆・休眠豆)の存在が発芽率を低下させます。

現場では概ね70個発芽(発芽率70%)で良いかなという感じです。

この発芽しないコーヒー豆の除去、休眠豆の打破が発芽率を上げることになります。

コーヒー種子(パーチメント豆)は見た目で、発芽する・しないの判別が難しいため発芽率を高めるために、播種前に水選や篩選をしたりカビ豆など取り除いたりしています。

コーヒー豆の数

コーヒーチェリーの中のコーヒー豆

また、海外のコーヒー豆を入手した時、種子の生産履歴(収穫日、処理方法、保存方法)がわかれば、疑わしいものは使わないという選択もあります。例えば機械乾燥や嫌気発酵処理した豆は避けたいです。

沖縄コーヒー農園の苗づくりは自然のこぼれ種の苗があるので問題ありませんが、種から苗木を多く生産する場合、やはり発芽率は作業効率面から重要なファクターになります。

こぼれコーヒー苗

沖縄産コーヒー苗(沖縄コーヒー農園)

そこで、他に発芽率を高める方法がないか?樹木研究者の方から最新の研究のお話が聞けましたのでご紹介します。

スギやヒノキの例になりますが、種子は

充実種子(発芽する)
休眠種子(発芽スイッチが入っていない)
不稔種子(発芽しない)

が混在しているので種子選別装置で発芽しない種だけを選択的に取り除く方法です。

種子選別装置

九州計測器 種子選別装置

原理は近赤外光(750~2500nm)で脂質を測り種子を選別します。

九州計測器

種子選別中の様子

この装置はコーヒー種子でも選別できる可能性があり

また、お米の品質評価に近赤外装置を使っているので、コーヒーの品質管理にも応用可能とのことでした。

種子選別装置が現場で簡単に使用できリーズナブルなレベルまで改良され普及することを期待しています。