現在、沖縄はコーヒーチェリーの収穫時期であります。
先日、台湾コーヒー栽培者から台湾でCBB(Coffee Berry Borer)被害があると連絡がありました。
幸い沖縄はCBB被害はありません。そこで、CBB(ブロッカ)について書いてみたいと思います。
CBBとは?
コーヒーベリーボーラー(CBB)とは、コーヒーの実に穴を開けることからこの名がついています。
海外では通称ブロッカ(Broca スペイン語)と呼ばれるコーヒーにつく害虫で世界のコーヒー生産地で脅威となっています。
近年、離島であるハワイや台湾のコーヒー産地でも深刻な問題になっており沖縄もいずれ被害にあうかもしれません。
そもそも、その土地にいない害虫がどうして存在するのか?は推測になりますが、輸入したコーヒー生豆(麻袋含む)にブロッカが付いていて防疫処理が効かなかった又は不十分だったことが考えられます。
ブロッカは商品である生豆の欠点豆(虫食豆)を多くしてコーヒーの味を不味くします。そのためハンドピック作業で取り除きますが、あまりに量があると仕入れの見直しや珈琲価格にも影響してきます。
農業害虫であるブロッカがコーヒー豆に寄生できるのはカフェインを無毒化する腸内細菌があることが研究で明らかになっています。
また繁殖力が高いため初期の対応が重要で海外のブロッカ対策は殺虫剤や捕虫器等を使用しています。
ブロッカは日本で検疫有害動植物に指定されています!
ブロッカはゾウムシ科の甲虫で、沖縄県で似たようなものに特殊病害虫のアリモドキゾウムシとイモゾウムシがいます。
ただ、コーヒーの木への影響はないと考えられます。
この2種の害虫はヒルガオ科の植物に寄生し植物防疫所では国の補助で根絶防除事業を現在も行っております。根絶には長い時間と膨大な費用が生じます。
沖縄の特産品である紅芋や空心菜が県外に発送できないのは、これらはヒルガオ科で害虫がつくため法律により移動規制中(まん延防止)だからです。
もしブロッカが沖縄県内で大量発生すると沖縄産コーヒー生豆や苗木など移動規制対象になる可能性があります。そうなると県外に加工品(焙煎豆)の販売しかできなくなります。
ブロッカ(Broca)とは?
別名:コーヒーベリーボーラー(Coffee Berry Borer)
和名:コーヒーノミキクイムシ
学名:Hypothenemus hampei
英名: Coffee borer beetle
科:ゾウムシ科
属:Hypothenemus
種:コーヒーノミキクイムシ
原産:アフリカ(アンゴラ)