コーヒークライシス(コーヒー危機)とは
沖縄で言えば、毎年の台風がコーヒークライシスの原因になりますが、世界のコーヒークライシスというと例えば、2001年に起きたコーヒー価格の大暴落があげられます。
コーヒー価格とはニューヨークで取引される先物価格<単位 USセント/ポンド(453g)>をここでは言いますが生産者の損益分岐点が70セント前後に対し、2001年のコーヒー価格はファンダメンタルズを無視し一時50セント割れを起こしました。原因は供給過剰と投機マネーです。
こうなると生産者は作れば赤字になるので離農する人が増えコストカットで市場には低品質コーヒーが出回るようになります。
新たなコーヒークライシス
消費者や小売業者に影響を与える価格高騰による危機
世界のコーヒー生産地では、異常気象や病害虫被害等で今後、生産量が伸び悩むと予想されその反面、コーヒー需要は増加しており将来のコーヒー不足が懸念されております。
過去、霜害・干ばつによる減産時にコーヒー価格が300セント越えがありましたが、それ以上の価格暴騰が起きるのでは?と危惧されています。
それは昨今のグローバル化した金融マーケットではアルゴリズム取引(コンピューター自動売買)が主流になっておりヘッジファンドやスペキュレーター(投機家)に狙われると一方通行の価格変動がより起きやすい土壌になっているためです。
今年は原油が狙われ一時1バレル30ドルを割りました。産油コストを考えると50ドル以上は保ってもらいたいです。
(昨日、石油輸出国機構(OPEC)が減産合意したことで原油価格は上昇し50ドルを回復しました)
商品市場は株式や為替のような市場介入によるPKO(プライスキープオペレーション)ができる主体もないため何かしらの対策(投機規制等)が必要と思います。
現状、価格下落の場合は、生産や流通調整、価格高騰の場合は増産で需給バランスをとっています。
※ 商品先物取引はリスクヘッジする目的で作られた歴史がありますが、リスクプレミアムが大きくボラティリティーが高い金融商品です。
このような中、私たちが出来ることは、市場外取引コーヒー(フェアトレード品等)を知り購入することが開発途上国の生産者の貢献につながると思います。
また、他の対策としてコーヒーベルト外生産もあります。
コーヒーベルト外生産には2つの方法があります(コーヒーベルトとは)
①耐寒性あるコーヒー品種の導入
コーヒーの木は概ね気温10℃を下回ると枯死する可能性が高まります。
そこで耐寒性ある改良品種を導入し気温0℃でも適応できるようになればコーヒーベルトの幅が広がり栽培可能生産地が増えます。
例えば鹿児島(北緯30度)あたりまで露地栽培できればコーヒー生産量の増加につながるものと考えます。
②施設栽培(国産国消)
現在、開発途上国で生産されたものが先進国で大量消費されるコーヒーですが先進国でも生産をおこない国産国消を行えば一定の効果があると思います。
その実現には施設栽培で高付加価値コーヒーを作る栽培技術が求められます。