Category Archives: 沖縄コーヒー栽培<ポイント>

コーヒー水耕

コーヒーの水耕栽培はできる?

29 9月 17
Okinawa Coffee Blog
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一般的にコーヒーは土で育てますが、ハイドロボール等を使い水耕栽培でも苗の生産ができます。

また、水耕で育てた苗を土に移植しても問題なく生長し実ができることを確認しております。


水耕栽培は様々な装置や方法がありメリット・デメリットありますが

沖縄での大きなメリット!として

☆台風の影響を受けないため安定生産できる
☆育苗時に鳥・モグラ・マイマイから守れる
☆自動制御で省力化

今後は効率的な苗の生産およびコーヒーにとって最適な光量・光質を見つけていきたいと思います。

 

土とコーヒー

コーヒーにとって良い土とは?

17 9月 17
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コーヒー栽培と土について(鉢栽培

コーヒーにとって良い土とは?

☆通気性が良いこと
☆水はけが良いこと
☆水持ちが良いこと
☆肥料持ちが良いこと
☆適度な栄養があること

コーヒー栽培で「畑や森の土だけを使って鉢でコーヒーを育てることはできますか?」
というご質問を頂きますが、あまりお勧めはしていません。

それは鉢の中で土の物理性を作る必要があるからで、できたら土の改良もしくは市販されている培養土をお勧めしています。

培養土は鉢やプランターで元気に育つように設計された土です。
畑や森の単独の土でも育ちますが、やはり培養土等を使うと生長が違います。

ただ、市販の培養土はコストがかかることや必ずしもコーヒーに合った土とも限りません。
培養土は肥料(元肥)が入ってるものが多くその処方がコーヒーに合っていなければなりません。


そこで、コーヒーに合った培養土を試行錯誤して作っています。
市販の培養土を仕分けするとほぼ動画にあるような原料になります。

定植場所の土をベースに、原料の中から通気・排水・保水・保肥性、肥料の要求量、鉢の大きさ、栽培期間等を考慮して最適なブレンド比率を検討します。

葉温

なぜ?未熟豆・死豆が多いのか?

10 9月 17
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なぜ?今年は未熟豆・死豆が多いのか?<考察>

沖縄コーヒー生産者から今春までに収穫された豆の状態が悪いという話を聞きます。
ただ、あまり問題ないという生産者もおり、今後は両者を比較検証し対策を考えていきたいと思います。

豆の状態が悪い要因として、昨年は台風がほぼなく高温少雨だったことがあげられます(今年もそうですが
あくまで仮説として 高温ストレス、乾燥ストレス、光阻害 とすると、どうして異変が起こるのか考えてみます。

こちらも参考に( 沖縄コーヒー 光と影

コーヒーはコーヒーベルトと言われる暑い国で生産されますが、厳密に言うと暑い国の涼しい場所(高地)で栽培されます。

沖縄は世界のコーヒー関係者から見ると寒い国というイメージですが、実は夏の気候は他国の栽培環境と比べて過酷です。

沖縄コーヒー栽培で夏の環境下とコーヒーについて書いてみたいと思います。

はじめに、ヒトとコーヒーの木の温度感覚は似ています。

ヒトは概ね気温が15℃以下になると暖房、28℃以上になると冷房をいれます(湿度・風速は無視します

コーヒーも 15-28℃ の温度帯は問題ありませんが、この温度帯から外れると生育に支障が出てくるため予防が必要になります。

沖縄 真夏日 記録更新

source:weathernews

今年の沖縄は大変暑く(昨年も暑い現在、82日連続の真夏日記録更新中(6/20~現在)です(1890年の統計開始以来最長記録
この暑さの中で沖縄コーヒーたちは頑張っています。

①体温調整

ヒトは汗をかいて体温調整していますが、コーヒーも同じことをしており水を根から吸水し葉から水分を蒸散し体温を下げています。ただ、水分が冷却ばかりに使われると光合成はあまりしません。

②気孔の開閉

植物は気孔を通して、葉内の水分を放出(蒸散)し、空気中の二酸化炭素を取り込んでいます。
しかし、水分が不足すると葉は水分を逃がさないよう気孔が閉じ気味になり光合成の低下および葉温上昇につながります。

③葉温(leaf temperature)

沖縄の夏のコーヒー葉温は40℃を軽く超えます太陽光が当たっている無遮光の表面陽葉 ※葉温上昇させる光(赤外線)は光合成に役立ちません

葉温

source:熱帯農業Vol30

上記の学術データから葉温上昇は光合成を低下させます。

樹木医学

source:樹木医学会

また、夏は高温、土の乾燥、強い可視光により光阻害していると考えられます(最悪時、葉焼けを起こします

光阻害とは?・・・過剰な光により光合成機能が低下すること

葉温 日向

コーヒーの葉(日向)

葉温 日陰

コーヒーの葉(日陰)

測定器:非接触(放射)温度計
※学術データと測定条件(陽葉表面、樹齢、葉齢、品種等)が違うため単純比較はできません

バナナの葉温

バナナの葉(日向)

レンブ

レンブの葉(日陰)

コーヒーチェリー 温度

コーヒーチェリー(日向)

夏は直射日光で土壌浅層は乾燥しやすいです。コーヒーは酸素要求度が高く吸収根は浅根性であります。C3植物であるコーヒーは土の乾燥等で光合成が低下し未熟豆が出るのではないかと考えます。

コーヒーは耐旱性(水不足の耐性)が強いと言われます。しかし高温下では機能しないため夏場は土壌水分に気を付け水ストレス状態に陥らないよう心掛けたいです。

最後に、沖縄は海外のコーヒー生産地と比べると「昼夜の寒暖差が小さく美味しい珈琲は作れない」と言われますが、植物は年月を経て高温耐性を獲得したりと環境に順応していくため今は悲観せず検証と対策(剪定も含む)をしていけば、沖縄から世界のコーヒーの常識を変えるコーヒー豆ができるものと思っております。

追記

このブログでは夏場の光合成機能低下が未熟豆が出る原因かもという見解で書きましたが、ブログを見られた某研究者様よりご助言をいただきました。

葉だけでなくコーヒーの緑実も光合成をしている。果実の生長因子を多角的視点から考察するとおもしろいですよ

この度はアドバイスありがとうございました。原因究明と対策、その先のおいしいコーヒー作りのため頑張ります。

コーヒーダッシュボード

沖縄コーヒー栽培 ダッシュボード

16 6月 17
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コーヒー栽培で日々どのようなことを見たら良いですか?というご質問を頂きます。

ずばり、栽培日記をお勧めいたします。例えばカレンダーに毎日の天気をつけたり、今日は元気がないなとか、水やりをしたとかの記入を始めてみると良いかと思います。

栽培日記をつけることによりコーヒー栽培の水やりや施肥の判断がとてもしやすくなります。 

コーヒー栽培ダッシュボード

慣れてきましたら、定期的に写真を撮ったり上記のダッシュボードにある生育パラメータ(指標)を参考にしてみてください。生育不良や収量減少等の原因分析・対策にデータが活用できます。

 

ギンネム

沖縄コーヒー 光と影

16 4月 17
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コーヒー栽培において「」の果たす役割について書いてみたいと思います。

コーヒーの花芽分化

現在、沖縄ではコーヒーの開花シーズンであります。

開花にも光というものが関わっています主に可視光の長波長域 

沖縄産コーヒーの花

沖縄産コーヒーの花(アラビカ種

開花スイッチが入るには、光以外に温度、日長、水分など環境要因が揃わないといけません。

コーヒーは短日条件下でも花芽分化しますが、沖縄においては気温による要因が大きいと考えられます。

概ね昼間の気温が22℃以上(最低気温17℃以上)続くことで開花が見られてきます。

コーヒーの最適な光の強さ

植物にはそれぞれ好む光の明るさ(強さ)があります。

光の強さについて下図で説明したいと思います。

植物の光合成速度

src:高等学校生物(Wikibooks

グラフ内に補償点と光飽和点というのがあります。

簡単に言うと補償点は植物が最低必要な光の強さで光飽和点はこれ以上光を強くしても成長しない光の強さになります。

コーヒーの補償点は 1000ルクス という文献がありますが、経済栽培においては 最低照度として 1万ルクス を目安にしたいです。

また沖縄の直射日光はどの季節でもコーヒーの光飽和点から高いレベルの強さがあります。

特にコーヒーの栽培適温から外れる夏の環境下では光合成速度が著しく低下します。
このことについては後日、書きたいと思います

現在、組合ではコーヒーの最適な光量について調査中です。また光質や積算照度、葉緑体等も調べていきたいと思っています

下記は4月9日に照度測定(読谷村)したものです。太陽が雲に隠れた状態で 3万ルクス を超えます。

沖縄 照度

特に夏場は直射日光が長時間当たらないようを作ることが大切に思います。

そこで、シェードツリーを選定する場合、条件として遮光管理のしやすさも重要なファクターとなります。

例えば、ギンネム(TOP画像)は成長が早く剪定しやすい=遮光率を調整しやすいので理想的です。ただし、アレロパシー(ミモシン)の問題がありコーヒーと共存できるかや台風の影響等 新たに導入する場合は試験栽培が必要になります。

また、シェードツリー(遮光木)が植えられない場合、下記のようなネットを使う方法もあります。最近は様々な色のものや遮光率ごとの製品もあります。

コーヒー遮光

※コーヒーの光の強さについて

①ここでは照度計の数値を用いておりますが、本来照度計は人間が感じる明るさを測定するものです。
コーヒーの成木についての見解であり幼木ではありません。
③沖縄では無遮光で栽培している方もおり実際に実もできています。

④無遮光栽培の葉は強光に順応し陽葉化します。遮光栽培と比較して今後、収量や品質等も調べていきたいと思います。

沖縄コーヒー栽培3

沖縄コーヒー 栽培の話 その3

27 8月 16
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沖縄コーヒー 栽培の話 その3

 コーヒーの葉焼けと害虫について

沖縄コーヒー栽培で危険サインと言える2つの症状を紹介します。

葉焼け

コーヒーの木は直射日光に長時間当たると葉焼けを起こすことがあります。葉焼けすると葉は元に戻ることはありません。

沖縄珈琲 葉焼け

葉焼け実験

沖縄コーヒー 葉焼け

コーヒーの葉 葉焼け

害虫

沖縄コーヒー栽培で特に多い害虫はカイガラムシです。放っておくと最悪、木が枯死することがあります。

沖縄コーヒー カイガラムシ

カイガラムシ

沖縄珈琲 カイガラムシ

このタイプは すす病を誘発する

2つの症状の共通点は暑さです。

コーヒーの木にとって気温30℃超えは大きなストレスになります。

そこに直射日光による葉温上昇や土の乾燥等が重なると木が弱まります。木が弱まると葉焼けや害虫被害が発生しやすくなります。

対策

ストレスの除去です。

基本的には長時間の直射日光を避け風通しの良い栽培環境にすることです。

ただ、必ずしも改善するとは限らず原因は複合的が多く、水やりの頻度・肥料の過不足・根詰まり・剪定(枝透かし)等も併せて見直したいです。

農薬に頼らない無農薬栽培でコーヒーを育てるには木を元気にすることが一番です。

沖縄コーヒー生産組合 試験農場より

沖縄コーヒー栽培の話2

沖縄コーヒー 栽培の話 その2

25 8月 16
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沖縄コーヒー 栽培の話 その2

 コーヒーの根について

コーヒーの根は発根するとグングンと伸びていきます。

沖縄コーヒー発芽

コーヒー発根の様子

双子葉植物であるコーヒーは太い主根と細い側根からなります。

沖縄コーヒー 主根と側根

コーヒー根  主根と側根

地植えの場合、根は円錐体に根群形成をしていき 3年生の幼樹で主根の長さは50cmになります。

沖縄コーヒー実験

各種栽培土による根回り実験

根は自らを支え、多くの根毛(吸収根)ができ 水・栄養分・酸素の吸収をします。吸収根の多くは地下 5-25cm に分布します。

また、コーヒーは土を使わなくても栽培ができます。

沖縄コーヒー水耕

コーヒー水耕実験

作物は根が命です。コーヒーを元気に育てるには根系の環境を整えることも重要で、特に大型台風が頻繁にくる沖縄では根を充実させ倒れにくい木を作ることが求められます。 

沖縄コーヒー 栽培1

沖縄コーヒー 栽培の話 その1

21 8月 16
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沖縄コーヒー 栽培の話 その1

 沖縄の土について

一般的に沖縄の土は「栄養分が少なくミネラル分が多い」と言われています。

また、沖縄は性質が異なる3種類の土壌が存在します。

1.国頭マージ(酸性)
2.島尻マージ(弱アルカリ性)
3.ジャーガル(アルカリ性)

沖縄土壌の種類

上記、沖縄土壌の全てでコーヒーが生育できることを確認していますが、生産性を上げるにはコーヒー栽培に適した土に改良する必要があります。

沖縄土壌

沖縄県の土壌分布

土壌改良とは作物が元気に育つよう土の状態を良くすることで、様々な資材や方法があり土の状態でやりかたが変わります。

沖縄コーヒー土壌改良

沖縄の土は世界のコーヒー生産地と比べるとミネラル分が高い特徴がありますが 近年、海外のコーヒー産地でもミネラル類(微量要素)がコーヒー生産に与える影響等研究されてきています

※ 微量要素とは植物の生育に必須な元素のうち含有率が 0.01% 以下の元素の総称をいう