コーヒー栽培において「光」の果たす役割について書いてみたいと思います。
コーヒーの花芽分化
現在、沖縄ではコーヒーの開花シーズンであります。
開花にも光というものが関わっています(主に可視光の長波長域 )
開花スイッチが入るには、光以外に温度、日長、水分など環境要因が揃わないといけません。
コーヒーは短日条件下でも花芽分化しますが、沖縄においては気温による要因が大きいと考えられます。
概ね昼間の気温が22℃以上(最低気温17℃以上)続くことで開花が見られてきます。
コーヒーの最適な光の強さ
植物にはそれぞれ好む光の明るさ(強さ)があります。
光の強さについて下図で説明したいと思います。
グラフ内に補償点と光飽和点というのがあります。
簡単に言うと補償点は植物が最低必要な光の強さで光飽和点はこれ以上光を強くしても成長しない光の強さになります。
コーヒーの補償点は 1000ルクス という文献がありますが、経済栽培においては 最低照度として 1万ルクス を目安にしたいです。
また沖縄の直射日光はどの季節でもコーヒーの光飽和点から高いレベルの強さがあります。
特にコーヒーの栽培適温から外れる夏の環境下では光合成速度が著しく低下します。
(このことについては後日、書きたいと思います)
現在、コーヒーの最適な光量について調査中です。また光質や積算照度、葉緑体等も調べていきたいと思っています。
下記は4月9日に照度測定(読谷村)したものです。太陽が雲に隠れた状態で 3万ルクス を超えます。
特に夏場は直射日光が長時間当たらないよう陰を作ることが大切に思います。
そこで、シェードツリーを選定する場合、管理のしやすさも重要なファクターとなります。
例えば、ギンネム(TOP画像)は成長が早く剪定しやすい=遮光率を調整しやすいので理想的です。ただし、アレロパシー(ミモシン)の問題がありコーヒーと共存できるかや台風の影響等 新たに導入する場合は試験栽培が必要になります。
また、シェードツリー(遮光木)が植えられない場合、下記のようなネットを使う方法もあります。最近は様々な色のものや遮光率ごとの製品もあります。
※コーヒーの光の強さについて
①ここでは照度計の数値を用いておりますが、本来照度計は人間が感じる明るさを測定するものです。
②コーヒーの成木についての見解であり幼木ではありません。
③沖縄では無遮光で栽培している方もおり実際に実もできています。
④無遮光栽培の葉は強光に順応し陽葉化します。