沖縄産コーヒー「DNA分析の実施」
沖縄県内外で栽培されている国産コーヒーの品種を調べるためDNA分析をおこなうことが決まりサンプルのコーヒーの葉を集めました。
主に沖縄県内のコーヒーを中心に50検体を大学の先生方、ご協力のもと品種の特定をおこなっていきます。またDNA解析から沖縄産コーヒーの歴史解明、サビ病に強い品種、沖縄の環境に適した品種など今後の栽培や品質向上につなげていきたいと思っています。
特に国産コーヒーの歴史的な経緯に着目しており、約150年前にインドネシア(ジャワ島)から沖縄にコーヒー苗が持ち込まれましたが、県内の古木コーヒーとの関係性を調べていけたらと思っています。
シークワーサーの事例(DNAで新種発見)
DNA分析というと犯罪捜査や親子鑑定が思い浮かびますが、植物の品種を調べることもできます。約2年前にシークワーサーの起源がDNA分析によって解明されました。
詳細は Nature Communications誌 に論文が掲載されています。
タニブター(沖縄在来の新種かんきつ類)
OISTによると全てのシークヮーサーは沖縄野生種「タニブター」と勝山イシクニブ種の交配ミカンが出発点であると公表してタニブター(野生みかん)は新種として学名記載されました。
沖縄の代表的シークワーサー「クガニー種」
シークヮーサーはたくさんの品種があり地域により呼び名も異なります。その中でも「クガニー」と言われる品種は美味しく沖縄本島で一番多く栽培されていると言われます。
クガニー(樹齢90年)とタニブター(発見者)の農家さんにお話を聞いてきました(YouTube動画)
果実が緑をシークヮーサー、黄色をクガニーと言ったりしています。沖縄方言で黄金(くがに)が名前の由来です。シークヮーサーは同じ品種でも地域により呼び名が異なったり、栽培者は品種自体こだわらない(わからない)といった状況です。
シークヮーサーは実が黄色に熟して収穫すると木が疲れて翌年、実が付きにくいと言われます。沖縄ではシークワーサーの独特の香りや酸味が好まれ、また需要があるので緑の果実のうちに収穫する農家さんが多いです。
ちなみに沖縄では「すだち風呂」のような使い方はしません(湯船に浸かる人が少ないから?私はお風呂に入れて楽しみます)
和名:ヒラミレモン
学名:Citrus × depressa
沖縄に自生するミカン科のかんきつ類。沖縄方言で「酸を食わせる」が名前の由来。
和名:タニブター
学名: Citrus ryukyuensis
琉球諸島原産のかんきつ類(野生種のマンダリン)琉球マンダリンとも言う。
中国大陸のマンダリンオレンジと近縁で約200万年前に自然交雑によって沖縄固有のマンダリン交配種が誕生したと言われる。タニブターはマンダリンオレンジと異なり有性生殖を行う純粋種である。
OIST研究員さんに論文、DNA解析をお聞きしました。
① 全てのシークヮーサーは「タニブター&勝山イシクニブ」がメス親(種親)オス親(花粉親)として(両者とも両性の親になる可能性あり)掛け合わされたものである。
② DNA解析すると遺伝的に差の大きなタイプとして下図に別けられる。
③ 遺伝的に同じタイプであっても生育環境などで見た目の特徴に差が現れたりする(DNA分析結果と目視観察の印象が異なることがある)
タニブター参考情報も教えていただきました。ありがとうございました。