少し先のことになりますが
4月に沖縄世界遺産の場所で沖縄珈琲収穫祭 2019の開催を予定しております。
詳細が決まりましたらお知らせいたします。
最近の沖縄産コーヒーの木の状況
追記 詳細決定しました。
下記はチラシになります。城ヨガと沖縄珈琲収穫祭のコラボイベントです。
会場:中城城(世界遺産)
「Hack Coffee Beans」さんのホームページに沖縄コーヒー生産組合の活動が掲載されました。
記事中にコーヒー生産に必要な条件がありますが、沖縄でのコーヒー栽培からわかってきたこともあり沖縄視点で少し説明させて頂きます。
①安定した降雨
降雨は必要ですが農業用水等が使えれば問題なし
沖縄では安定降雨というよりは夏場にたくさん降ってほしく冬場はあまりいらない
②年中18〜23度の気温
品種により適温があるので、沖縄の風土にあった品種の選定が重要
③水はけの良い土壌
土壌改良できれば沖縄のどこでも問題なし
④標高1000m以上
沖縄本島の山は300~500mクラスですが、必ずしも標高という概念はいらない
前回の「国産コーヒー栽培⑤」から4カ月後の成長記録になります。
下記は各品種の樹高で前回より枝葉が出て大きくなってきました。
(2016.5/1 → 2016.9/1 記録)
ティピカ 27cm→73cm
ブルボン 21cm→56cm
カツーラ 19cm→53cm
※ガテラマ・イエメンの苗木は他農園移動のため掲載終了します。
なお、この成長記録は屋外栽培です(今年1月の 沖縄で雪 の大寒波2日間のみ屋内退避)
来春に花を咲かせ実をつけることを目標にしております。
沖縄は9月中旬頃から暑さが和らぎその後コーヒーの成長は加速していきます。
また今年は沖縄本島に台風が来ていないため沖縄コーヒーの木の生育は順調です。
下記は近年の台風接近数です。今年は異常に少ないことがわかります。
沖縄コーヒー生産組合 試験農場より
沖縄コーヒー 栽培の話 その3
コーヒーの葉焼けと害虫について
沖縄コーヒー栽培で危険サインと言える2つの症状を紹介します。
【葉焼け】
コーヒーの木は直射日光に長時間当たると葉焼けを起こすことがあります。葉焼けすると葉は元に戻ることはありません。
【害虫】
沖縄コーヒー栽培で特に多い害虫はカイガラムシです。放っておくと最悪、木が枯死することがあります。
2つの症状の共通点は暑さです。
コーヒーの木にとって気温30℃超えは大きなストレスになります。
そこに直射日光による葉温上昇や土の乾燥等が重なると木が弱まります。木が弱まると葉焼けや害虫被害が発生しやすくなります。
【対策】
ストレスの除去です。
基本的には長時間の直射日光を避け風通しの良い栽培環境にすることです。
ただ、必ずしも改善するとは限らず原因は複合的が多く、水やりの頻度・肥料の過不足・根詰まり・剪定(枝透かし)等も併せて見直したいです。
農薬に頼らない無農薬栽培でコーヒーを育てるには木を元気にすることが一番です。
沖縄コーヒー生産組合 試験農場より
沖縄テレビ(OTV)で沖縄コーヒーが特集されます。
番組名:098TV(ゼロ・キュー・ハチ・ティーヴィー)
内容: 沖縄のコーヒー事情 ~コーヒー業界の今とこれからを追う~
放送日時:5月8日(日) 深夜24:30~
是非ご覧くださいませ!(放送映像はこちら)
「098-TV」の 098 は、沖縄県の市外局番「098」を名前に取り入れたもので、沖縄の様々なプロジェクト等を紹介する情報番組です。
この番組は普通のテレビにない斬新さと毎週取り上げられるテーマもおもしろいです。
この度は沖縄コーヒー生産組合の活動を放送頂きまして、098TV関係者の皆様ありがとうございました。
うんちコーヒー? と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、このコーヒーは動物の糞から採取したコーヒー豆で世界で一番値段が高く最高級品と言われております(約5年前ロンドンの珈琲店で1杯100ドル)
「コピ・ルアク」というコーヒー名で、インドネシアやベトナム・フィリピン・インドなどで作られます。
偽物品も多く特に観光客をターゲットにお土産品としてあるようです(偽装沖縄産コーヒーと同じです)
コピ・ルアクの「コピ」はコーヒー「ルアク」はジャコウネコ(麝香猫)という意味で、ジャコウネコの糞から採れるコーヒー豆のことを言います。
独特の香りを持ち産出量が少ないため 幻のコーヒー と言われます。 日本では ルアック・コーヒー とも言われます(年間生産量:推定 50t)
現地ではジャコウネコを飼育してコーヒーの実を食べさせ商品化する人が多いです。自然のジャコウネコの糞から採取した野生品もあります。
バリ島在住の知人が 「そもそも糞から採取していない商品やブレンド品のような 怪しいコーヒーが観光地で横行 しているように見られパッケージを信じ購入する観光客が多い」と話しています。
このような一部のモラルない行為が産地全体の信用を傷つけることになるので、沖縄同様にやめてもらいたいです。
知らぬが仏と言う人もおりますが、本物を安心して購入するには現地の場合、お土産さんよりも地元の人がその珈琲を購入したり飲んだりするお店で 日本にいる場合は、信頼できる販売店や豆の評価ができる珈琲専門店をお勧めいたします。
下記は先日購入した コピ・ルアク です(信頼できるところから購入しました)
私はこのような高価希少品は原価試飲or比較品があると良いなぁと思っております。
例えば うんち前コーヒー(おまけ品として少量でも良い)とうんちコーヒーの セット販売 をしてもらいたいです。
今回のコピ・ルアクcoffeeの味ですが、やや浅めの焙煎豆で酸味と深みがありおいしかったです。
変わったところで、ゾウの糞コーヒーもあります(source: dailynewsdig.com)
タイ・プラーオのコーヒー農園 商品名:ブラック・アイボリー(黒い象牙) 現在ジャコウネコより高価なコーヒー
ジャコウネコの糞は独特の香りが付く特性があり味に影響を与えますが、ゾウのコーヒーは飲んだことがないためわかりません。
また台湾ではサルコーヒーがあり沖縄は豚・山羊が多いので、そのうち誰かが ヤギコーヒー を作るかもしれません。
最後は人間の便からとなりそうですがcoffee1杯分で30実ぐらい飲み込む必要があるので気が向いたら実験してみようと思います。
それとブルーマウンテンで有名な高価なコーヒーも「生産地(ジャマイカ)の出荷量よりも日本で流通しているブルーマウンテンの販売量が多い」と言われています。
早くコーヒー鑑定ができる方法が見つかると良いですが、大阪大学(福崎英一郎教授)では 「メタボロミクス」の解析技術を使った研究をされており「まじめな生産者を守り本物を消費者に届ける手助けになる」とお話されているので期待したいところです。
ただ、コーヒー関係者が期待している豆を測定器に入れボタンを押すと鑑定結果が出るという機器開発というよりは 成分分析を GC/MS という分析機器を使い精度良く結果を出し解析するというトータル的手法の研究です。
私も前職でよく使っていた GC/MS ですが、前処理といって サンプル(試料)作りにとても手間と時間がかかります。
今のところ偽物かどうかは生産者・販売者のモラルになります。
偽装 沖縄産コーヒーにご注意を! もご参考に
沖縄コーヒーアイランド
お問合せの中で特に多いのが、沖縄産100%コーヒーが売ってるけど本物ですか?という内容のものです。
私は生産者名から本物か偽装かおよそわかりますが、現在の沖縄コーヒーの生産量から考えて常に県産100%コーヒーを販売し続けているところは結論から申し上げて偽装と断言できます。
その理由について今回、沖縄のコーヒー生産量から少し具体的な数値を用いてご説明したいと思います。
沖縄で比較的多い栽培方法から平均的な生産者1人当たりのコーヒー生産量を下記から算出したいと思います。
栽培条件(品種・栽培方法・栽培場所等)で計算数値は変わりますが、あくまで一例としてご参考頂けたらと思います。
品種:ブラジル産アラビカ種ムンドノーボ(沖縄名:NewWorld1号)
樹齢:6年木
樹高:1.8m
栽培方法:露地
栽培場所:一般農地(山間地を除く)
コーヒー栽培単位面積:1本/坪
労働生産面積:200坪/人
コーヒーチェリーの収量:3kg/本
台風対策:低(被害率75% ※想定:沖縄本島台風上陸(風速50m/s))
とすると 200坪・200本の栽培で600㎏のコーヒーチェリーが収穫できる計算になります。
コーヒーチェリー 果肉除去
コーヒーチェリー収穫後、比重選別で使えないチェリー(浮豆)が出てきます。栽培・管理方法によりその割合は10~30%あり平均の20wt%を差し引くと480kgになります。
この480kgを果肉除去・乾燥・脱穀するとおよそ 15% 程度(含水率12%前後)残るので、生豆は約72kgになります(台風被害がないと仮定した場合)
ここに台風被害を加えると 50~100% はダメになりますが75%の被害想定とすると生産者1人当たりのコーヒー生産量は18kg/人 (生豆)となります(栽培場所や台風対策で被害が軽微な生産者もおります)※生豆を焙煎するとさらに重量は減ります
上記の計算は沖縄コーヒー生産者の全てではありません。沖縄コーヒー生産量の少ない理由が数値でご理解頂けたかと思います。よってコーヒー豆を常に販売するには安定生産と多くの生産者が必要となります。
このような現状で、沖縄のお土産屋さん等に沖縄産 100% 珈琲と表記した偽装コーヒー(在庫切れしない)が常に販売されており、この販売生産者は毎年1トン以上の生豆を確保していると豪語しています。
私は今まで県産コーヒーを大量に安定生産できる生産農家を沖縄で見たことも聞いたこともありません。
また、この販売生産者は生豆やパーチメント豆の販売はしなく、おそらく焙煎の専門家が生豆を見れば偽装とわかってしまうからです。
沖縄コーヒーを良いものにしたいのであれば、喜んで専門家に品評して頂き栽培にフィードバックさせることが重要だと思います。
偽装者は一反程度の農園や生豆・コーヒーチェリーを見せ恰も大量生産していると誇大な嘘話をメディア等にしていますが絶対にやめてもらいたいです。
沖縄では簡単にコーヒーは作れません。簡単にできると思い込んで始められる新規コーヒー栽培者が多く、そのほとんどが台風被害で栽培を辞めています。
沖縄は狭いので誰が何処でどのくらいのコーヒーを栽培しているかは情報として直ぐに入ります。観光客や県外の方はわからないためお客様を欺く産地偽装(偽装コーヒー)販売は沖縄農業の信用を失墜させるので直ぐにやめてもらいたいです。
沖縄コーヒー生産者がコーヒー栽培を続ける理由は、台風被害で精神的に落ち込むときもありますが、皆コーヒーが大好きでおいしいコーヒーを作りたい という情熱からです。
当ホームページでは台風被害も含めた沖縄コーヒーの情報を発信していくとともに、コーヒーの安定生産に向けアイデアを出して取組んで参ります。
沖縄では過去、偽装マンゴーや偽装アグー豚 問題が起き関係者に損害を与えました。
偽装沖縄産コーヒーも未然に防ぐためにお土産屋さんの仕入担当者ならびにマスコミの取材担当の方は国産コーヒーの現状や生産者をよくお調べになっての対応を強く願っております。
産地偽装は 不正競争防止法違反 です!
沖縄コーヒーアイランド