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葉温

なぜ?未熟豆・死豆が多いのか?

10 9月 17
Okinawa Coffee Blog
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なぜ?今年は未熟豆・死豆が多いのか?<考察>

沖縄コーヒー生産者から今春までに収穫された豆の状態が悪いという話を聞きます。
ただ、あまり問題ないという生産者もおり、今後は両者を比較検証し対策を考えていきたいと思います。

豆の状態が悪い要因として、昨年は台風がほぼなく高温少雨だったことがあげられます(今年もそうですが
あくまで仮説として 高温ストレス、乾燥ストレス、光阻害 とすると、どうして異変が起こるのか考えてみます。

こちらも参考に( 沖縄コーヒー 光と影

コーヒーはコーヒーベルトと言われる暑い国で生産されますが、厳密に言うと暑い国の涼しい場所(高地)で栽培されます。

沖縄は世界のコーヒー関係者から見ると寒い国というイメージですが、実は夏の気候は他国の栽培環境と比べて過酷です。

沖縄コーヒー栽培で夏の環境下とコーヒーについて書いてみたいと思います。

はじめに、ヒトとコーヒーの木の温度感覚は似ています。

ヒトは概ね気温が15℃以下になると暖房、28℃以上になると冷房をいれます(湿度・風速は無視します

コーヒーも 15-28℃ の温度帯は問題ありませんが、この温度帯から外れると生育に支障が出てくるため予防が必要になります。

沖縄 真夏日 記録更新

source:weathernews

今年の沖縄は大変暑く(昨年も暑い現在、82日連続の真夏日記録更新中(6/20~現在)です(1890年の統計開始以来最長記録
この暑さの中で沖縄コーヒーたちは頑張っています。

①体温調整

ヒトは汗をかいて体温調整していますが、コーヒーも同じことをしており水を根から吸水し葉から水分を蒸散し体温を下げています。ただ、水分が冷却ばかりに使われると光合成はあまりしません。

②気孔の開閉

植物は気孔を通して、葉内の水分を放出(蒸散)し、空気中の二酸化炭素を取り込んでいます。
しかし、水分が不足すると葉は水分を逃がさないよう気孔が閉じ気味になり光合成の低下および葉温上昇につながります。

③葉温(leaf temperature)

沖縄の夏のコーヒー葉温は40℃を軽く超えます太陽光が当たっている無遮光の表面陽葉 ※葉温上昇させる光(赤外線)は光合成に役立ちません

葉温

source:熱帯農業Vol30

上記の学術データから葉温上昇は光合成を低下させます。

樹木医学

source:樹木医学会

また、夏は高温、土の乾燥、強い可視光により光阻害していると考えられます(最悪時、葉焼けを起こします

光阻害とは?・・・過剰な光により光合成機能が低下すること

葉温 日向

コーヒーの葉(日向)

葉温 日陰

コーヒーの葉(日陰)

測定器:非接触(放射)温度計
※学術データと測定条件(陽葉表面、樹齢、葉齢、品種等)が違うため単純比較はできません

バナナの葉温

バナナの葉(日向)

レンブ

レンブの葉(日陰)

コーヒーチェリー 温度

コーヒーチェリー(日向)

夏は直射日光で土壌浅層は乾燥しやすいです。コーヒーは酸素要求度が高く吸収根は浅根性であります。C3植物であるコーヒーは土の乾燥等で光合成が低下し未熟豆が出るのではないかと考えます。

コーヒーは耐旱性(水不足の耐性)が強いと言われます。しかし高温下では機能しないため夏場は土壌水分に気を付け水ストレス状態に陥らないよう心掛けたいです。

最後に、沖縄は海外のコーヒー生産地と比べると「昼夜の寒暖差が小さく美味しい珈琲は作れない」と言われますが、植物は年月を経て高温耐性を獲得したりと環境に順応していくため今は悲観せず検証と対策(剪定も含む)をしていけば、沖縄から世界のコーヒーの常識を変えるコーヒー豆ができるものと思っております。

追記

このブログでは夏場の光合成機能低下が未熟豆が出る原因かもという見解で書きましたが、ブログを見られた某研究者様よりご助言をいただきました。

葉だけでなくコーヒーの緑実も光合成をしている。果実の生長因子を多角的視点から考察するとおもしろいですよ

この度はアドバイスありがとうございました。原因究明と対策、その先のおいしいコーヒー作りのため頑張ります。